毎日の保育は保育要領における「ねらい」を持ち活動しています。
この「ねらい」は子どもの姿から必要なことを考え、保育教諭が子どもの発達や興味に沿って設定しています。

今回の製作コーナーでの主なねらいは「友達と楽しく活動する中で、共通の目的を見いだし、工夫したり、協力したりなどする」です。
これは要領の中の人間関係における「ねらい」のひとつです。
もちろん、人間関係以外にも製作コーナーにおける「ねらい」はありますが、今回はこの「ねらい」に沿った活動を紹介していきます。

保育教諭が製作コーナーでお花を作っていると、年中児が「それな~に?」と興味を示しました。
「お花を作っているんだよ」と伝えると、「わたしも作りたい!」という声があがります。

一人が作り始めると、「なにやってるの?」「かわいい。わたしもやりたい!」と興味の輪が広がっていきます。
最初に作り上げた子どもが「わたしはこれを使ったよ」と材料の場所や作り方を伝えたりと、友達にレクチャーする姿も見られました。

出来上がったお花を両手で握り、保育教諭に見せる子どもたち。
何本もお花を作り上げた年中児が、ふと「ゆり組さんにあげようかな」とつぶやきました。
ねらいに向かった発言を受けて、保育教諭はすかさず「とても素敵な考えだね」と声をかけました。
すると、「〇〇ちゃん、一緒にお花作ろう。ゆり組さんにあげたいの」と、友達と一緒にお花を作る姿がさらに広がり、たくさんのお花が出来上がりました。
このように子どもたちのつぶやきを保育教諭が大切に扱うことで、子どもたちの活動は同じ方向に向かって動き出します。
学校の教室のような場所で、「協力してやってね」「一緒にやると楽しいよ」と保育教諭が子どもたちの前で教えることは簡単です。
ただ、このような遊びの経験を通して、子どもたち自らが理解することのほうが何十倍も良いことは、この活動を通してご理解いただけるのではないでしょうか。
そして卒園式前日。
異年齢での活動を通して子どもたちは周りの子どもたちから刺激を受け、ときにはあこがれの気持ちを抱きながら少し難しいことにも挑戦していきます。
保育教諭は、子どもたちがこのような気持ちを持つことができるような環境をつくり、「ねらい」を設定し、遊びを通した学びが得られるようにしています。

さらに小学校へのスムーズな接続のための「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」を意識しつつ、日々の保育に取り組んでいます。
今回の活動は、その中の「協同性」にもあたります。
「協同性」とは、「友達と関わる中で、互いの思いや考えなどを共有し、共通の目的の実現に向けて、考えたり、工夫したり、協力したりし、充実感をもってやり遂げるようになる」ことです。

今回の製作活動でも、「ゆり組のお兄さん・お姉さんにお花をあげたい」という思いを友達と共有し、協力しながら何本ものお花を作り上げました。
こうした姿が「同じ思いに向かって進む」、まさに協同する姿です。

もし、私たち保育教諭がねらいも持たず、見守りだけをしていたら・・・それは単に自由保育であり、教育ではありません。
ねらいを持つからこそ主体的な保育がしっかりと行えるということになります。
「明日卒園式で年長さんいなくなっちゃうからあげるんだ」と話しながら、家で作った花束を持ってきた子どもがいました。
卒園を迎えるゆり組のお兄さん・お姉さんのことを思い、花束を用意してきた姿から、これまでの異年齢の関わりの中で育まれてきた思いのつながりがうかがえます。
また、卒園式に向けて、保育教諭が製作コーナーで作ったお花を使って部屋の飾りつけをしていると、「わたしのお花も飾りたい」と自分で作ったお花を手に取り、保育教諭と一緒に飾りつけをする姿も見られました。
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